「iPhoneiPadは四肢麻痺者にとって革命的なツールになるかも…?」


6月にiPhone4を購入しました。以前はドコモの携帯電話を使っていましたが、以前よりスマートホンを活用したいと考えていました。しかし、iPhoneをはじめとするタッチパネル式の操作は「指」で直接触れないと反応(操作)しない静電容量方式が使われており、マウススティックユーザーやカフなどにペンを付けてパソコンや携帯を操作する者にとって大きな壁がありました。

 「マウススティックを工夫すれば使えないか」と考え、工学系のエンジニアに聞いたり、インターネットを調べたり、詳しい方から情報を求めたり、試作品を繰り返し、約4ヶ月掛かり何とか反応するまでになりました。はじめは、マウススティックの先にタッチペン(iPhone用スタイラスペン)を付け、噛む部分まで伝導するテープを貼ったり、タッチペンからコードを出し、コードの先を耳たぶに貼ったりもしました。しかし、納得の行く操作性は得られませんでした。現在のタッチペンに行き着くまではいろいろなタッチペンを試し、何度も携帯売り場に通い、本当に苦労しました。その甲斐もあり現在の「iPhone用マウススティック」は大きな改造もなく、満足行くところか反応が良すぎてメールの文字入力時には同じキーを連続して入力してしまうこともあるくらいです。(実はなぜそのタッチペンで出来るのか?何かあるはずですが詳しくは私も解らないのです)

 マウススティックは電動車いす用、ベッド用と2本用意しiPhoneを電動車いすにつけたり、ベッドサイドに付け変えたり、マジックテープで固定できるようにして常にiPhoneを操作出来るようにしています。

 皆さんご存じの通りスマートホン(iPhone)では通話、メール、カメラ、ゲーム、音楽・動画・skype、ラジオ、読書などの他、普段見ているインターネットのサイトを見ることが出来、とても便利に使っています。電動車いすで外出した時に道順を確認したり、車いすトイレをチェックしたり、駅構内図や時刻表、飲食店やコンビニの検索などのアプリ(アプリケーション)が無数にありダウンロードしていろいろ使っています。

 私たち四肢麻痺者にとってはiPhoneiPadが上手く使える環境にあれば大きく可能性が広がると思います。メールなどのコミュニケーションやページをめくるという難しい動作なく読書をしたり、TVやエアコンなどのリモコンをひとつにまとめ、ベッドサイドにiPhoneiPadがあれば環境制御装置がわりに使える可能性も広がります。

 しかし、タッチパネル式のiPhoneなども操作でも出来ない動作や傾けたり回したり出来ないため、マウススティックユーザーや指の動かない頸髄損傷者ですとやはり介助や工夫が必要になったりなってきます。

 これから先、タッチパネル式の機器が一層広がってくることと思います。今まで使っていた機器が発売中止になったり、機能に制限があったり、便利に機能的なっていく反面、誰もが使いやすいユニバーサルデザインというものの、なんとなく不安もあることも事実です。



iPhone




ベッド上でiPadをマウススティックで操作

ベルクロで固定





マウススティックが画面にほぼ垂直に接し、非常に見やすく使いやすい

ステーを購入し改造





電動車いすでのiPad操作

設計、図案は自分で、 作成は車いす改造会社に依頼





外出先でのインターネット・メール・SNSや暇つぶしも…

詳しくは今年のリハビリテーション工学カンファレンス(福岡)で演題発表します。