昨年の失敗を取り戻すため準備を重ね、現地との連絡、チケットや電動車イス(バッテリー)の航空会社の手配などを自分でやりました。滞在期間は短かったですが、病院の見学など次回の長期滞在の自信につながったと思います
           
                  自信のついた7日間(96年2月17日〜2月24日)


 2月17日より24日まで、皆さんご存知の「フィリピン日本人障害者の家(GLIP)」に行って来ました。昨年は、初めての海外旅行で緊張し、少々楽しみはぐったところがあり、今年こそ思いきり楽しんで来よう、そして昨年お世話になった現地の皆さんとの再会を楽しみに、計画を立てはじめました。
 運良く大学卒業間近の酒寄(サカヨリ)君が同行してくれることになり、今年は、絶対に自分の電動車イスで行こうと思い、12月頃から電動車イスにリクライニング(手動)を取り付ける改造を業者にお願いしていたのですが、完成したのが2月初めで、出発も計画よりだいぶ遅れてしまいました。私の電動車イスは、まだ?ウエットバッテリーですので各航空会社に問い合わせ、対応の良いノースウエスト航空を選びました。

 当日、東京は雪。東京駅で酒寄君と待ち合わせ、JRで成田空港へ。この辺は、昨年と同じスムーズに行き、電動車イスのままゲートへ。航空会社で用意してくれた段ボール箱にバッテリーを入れ、別々に飛行機に。雪のため1時間遅れての出発で、狭いエコノミーのシートに座り約4時間、マニラ国際空港到着。空港を出ると、夜中ですが沢山の人と自動車の排気音が懐かしく思え、何だか嬉しかった。迎えに来てくださった藤森さん達と合流。途中食事をし、GLIPに着くと18日4時を回っていた。

 GLIPに滞在中の介助は、昨年お世話になったマヴックにお願いし、介助の手順はしっかり覚えていてくれて、とてもスムーズだった。街に行くのは明日にし、向坊さん、藤森さん、薄さん、高松さん、私と、頚損者が集まり介助者をしたがえ麻雀をはじめた。本格的な麻雀は受傷以来初めてで、思いがけず楽しめた。(しかし350ペソ負けた・・・)

      


 翌日(19日)は、ルセナ市内の病院を訪ね、私の人工膀胱瘻のカテーテルを診せて、当病院でのカテーテルの交換などを医師に聞いてみた。来年から長期滞在を考えているので、その準備だ。人工膀胱瘻の私は4週間に一度(尿の流れが悪ければ何度でも)のカテーテル交換は必要で、良いこともあるがここが人工膀胱瘻の悪いところだ。
 
 20日 雨模様。日本が寒いときはフィリピンも寒いと言うが、今年は昨年にくらべ涼しかった。日中は麻雀。夕方、雨がやんでからみんなで散歩に行き、風がすごく気持ちよかった。

 21日 昨日の雨がうそのように晴れ上がり、電動車イスで50分ぐらいの所にあるプールに出かけた。プールのほか研修なども出来る宿舎などもあり、動物が放し飼いになっていた。帰り道、バスやトラックが通る交通量の激しい道路を電動車イス3台連なり、みんなの注目を浴びながら走ってきた。その晩、明日の海水浴を控え、マヴックに排便をお願いした。私が指図する間もなく進めてくれ、最後に「ファイブミニッツ アフター フィンガーチェック」と言って敵便までしてくれた。

      
 

 22日 ジープニー(ジープの荷台を長くしてシートをつけたような簡易バス)1台に十数人乗り込み、凸凹の道を約一時間。クリスチャンビーチに到着。しかし、小雨が降ってきて頚損組は雨宿り。でも若いアテンダント達は、敷地内のプールで元気に泳いでいた。


     
 

 23日 酒寄君とマヴックと、3人でルセナ市内に出てみやげの購入。昨年は、日本円に換算するととても安くて、あまり考えずいろいろ買っていたが、今年は、少々わかってきて考えてお店を回り、昼食には市内の日本食の店で、話の種にカツ丼を食べてみたが日本と同じ味で、75ペソと大変高価だった。その晩、GLIPに皆さん集まり、フィリピンのお祝い事などに出すレチョン(小豚の丸焼き)でお別れパーティをしてくれとても嬉しかった。


      
 

 帰国当日、マニラ空港発8:45。GLIPを3時発。 向坊さんから「1週間くらいではフィリピンの良さがわからない」と言っていましたが、本当にあっという間でした。しかし、現地の医師とも会えたし、電動車イスでも行くことが出来、これからの準備になりました。そして、片言の英語と一夜漬けのタガログ語で彼女たちとも、昨年より会話が出来たかなぁ?と思っています。(しかし、彼女たちの日本語に圧倒されていた)


     


 日記風に簡単に書いてしまいましたが、向坊さん、藤森さん、そしてアテンダント4人、毎日笑いが絶えないとても良い雰囲気で、1週間が2日間くらいに感じ、とても楽しい時間を過ごさせていただき、本当にありがとうございました。

 療護施設で生活している私にとって、冬の寒い期間「1年間のリフッレシュ」として行くにはフィリピンは最高の場所です。次回は少なくとも3週間くらい行きたいと思いますが、それにはある程度の英語力、体力と気力が必要です。次回また楽しめるよう、今から準備していきたと思います。皆さん、これからもよろしくお願いします。